睡眠学

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タブーされがちだけど、やっぱり大切『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

time 2014/02/10

タブーされがちだけど、やっぱり大切『この世でいちばん大事な「カネ」の話』

なぜか昔からうちは貧乏。
もっと景気がよくなれば収入が上がるはずなんて思っていませんか。
自分が貧乏なのは誰かのせいだと思っていませんか。

著者の半生を綴った自伝

西原理恵子

著者、西原理恵子さんはいわゆるヘタウマな画風が人気の漫画家さんです。 テレビのレギュラーを下ネタの失言により降板している経歴もお持ちです。 今回紹介する本を読んで僕が思うに、サービス精神がかなり旺盛な方なんだと思いました。 現在は郷ひろみさんのCMでおなじみの美容外科「高須クリニック」院長の高須克弥さんと交際されているとのことです。 代表作は以下のとおりです。 いけちゃんとぼく、毎日かあさん、ぼくんちなどがあります。 いけちゃんとぼく毎日かあさん10 わんこギャル編ぼくんち 上 (角川文庫 さ 36-10) 「この世でいちばん大事な『カネ』の話」はそんな西原さんがいかにして現在のような人気漫画家になったかの話が書かれています。

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お金と仕事のつきあいかたが学べます

貧しさと心のゆとり

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』では、日本が高度経済成長で沸いていた頃にさかのぼって話がはじまります。 しかし、経済成長の影響が少ない地方の高知県に住んでいた著者西原さんは好景気の実感はありませんでした。 実際にお金を持っていない人たち、稼ぐことができない人たちを目の当たりにし、その人達はみな心にゆとりがないことを知ります。 父親がタクシー会社の社長をしていて他の家庭より裕福だったと思っていた西原さんでしたが、 羽振りをよくしていた父がギャンブルで莫大な借金をし、西原さんの美術大学試験の当日に自殺します。 このあたりは本書を読まなくても西原理恵子(wiki)で略歴が詳細に書かれています。 このような原体験によって西原流の仕事観が育まれ、その様子が本書で紹介されていきます。  

最下位による、最下位からの戦い方

お母さんから託されたなけなしのお金で地元を離れた西原さんは憧れの東京で美大の予備校に通います。 しかし、そこでは絵が上手い人なんてごまんといます。予備校での順位は最下位でした。 そこで地元を離れて東京で絵の勉強をする本来の目的を思い出します。 「東京で絵を描いて食べていくこと」です。

最下位の人間に勝ち目なんかないって思う? そんなの最初っから「負け組」だって。 だとしたら、それはトップの人間に勝とうと思っているからだよ。目先の順位に目がくらんで戦う相手をまちがえちゃあ、いけない。

実際に予備校時代に営業を行い、競合と自分の商品を分析し、小さな仕事や普通の人が嫌がりそうな仕事でも、なんでもやることでニーズを吸収していきます。 他の予備校生が受験に必要な絵の勉強で順位を競っている最中に、です。 “プライドでメシは食えません”という項目では、

私に言わせるならプライドなんてもんはね、一銭にもならないよ。

…と断言し、エロ本の挿絵を描いていた西原さんならではの説得力のある働き方を説いてます。  

自分が向いている仕事が分からない人は…

自分が向いている仕事がないという人に対し、食わず嫌いをしているんじゃないかと疑問を投げかけます。

”他人がキミのことを教えてくれる” 「才能」って人から教えられるもんだって。 いい仕事をすれば、それがまた次の仕事につながって、その繰り返し。ときには自分でも意識的に方向転換しながら、とにかく足を止めないってことが大事。

西原さん流の戦い方と通じるところがありますが、やらなかったことでチャンスを逃すのではなく、なんでもやってみることを提案しています。  

お金に対するタブー視

お金は生きるのに必要です。ほしいものもあります。 お金のことに不安を持って暮らしたくもありません。 しかし、僕のまわりにはお金の話をする人は誰一人いません。 なぜかお金のことばかり考えるなんて「いやしい」って思っていませんか。この本を読むまでは僕もそう思っていました。 西原さんは断言します。

“「カネのハナシ」って下品なの?” 「働き者で欲がなくて、文句を言わない」というのがまるで日本人の美徳のひとつみたいに言われてきたけど、それって働かせる側にしたら、使い勝手がいい最高の「働き手」じゃないかな。

 「お金じゃない。人の心の豊かさ」なんて言い切ってしまうことがどれだけ傲慢なことか。「いかにも正しそうなこと」の刷り込みが、どれだけ事実に対して人の目をつぶらせ、人を無知にさせるのか。

 

じゃあ、やりたいことがない人は?

以上を踏まえた上で、やりたいことがないという人に対しては、「お金という視点」で仕事を選ぶことを提案しています。 貧しさによる人の心の影響を踏まえた上での「お金を基準にした仕事選び」です。

「カネとストレス」「カネとやりがい」の真ん中に自分にとっての「バランス」がいいところを探す。 それでも、もし「仕事」や「働くこと」に対するイメージがぼんやりするようならば「人は喜ばれる」という視点で考えるといいんじゃないかな。

いきなり「プライベートの大切さ」や「やりがい」にいくのではなく、お金からというのが西原さんの人生に則した仕事観だと思いました。  

余談

この本の面白いところはこれだけではありません。 本作の印税の約2000万円ほどが当初出版していた理論社が民事再生法の適用の申請に追い込まれたことから、印税関係の支払われませんでした。 印税が未払いになっている作品の在庫が無料で引き取れることを利用して、理論社にある本作の在庫5万冊(と西原の別作品の在庫3万冊)を別の出版社に引き取らせて販売しようとしたが、理論社からストップが掛けられてしまいます。 なお、在庫5万冊はユーメイドより「この世でいちばん大事な「カネ」の話 新装版」として出版、 文庫本は角川書店角川文庫から出版されたという経緯があります。 個人的には労働の対価に関して書かれている”収入と「がまん」のバランス”の項目ではあっさりめで、もう少しページを割いてお話が聞きたかったところでもあります。   女性が書いた本ですので、女性にぜひ読んで欲しいですが、ギャンブルや酒などの男性的な要素もあるので、30台以上の男性では耳の痛い人もいるかもしれません。 僕が読んでもらいたいと思ったのは、これから就活をする大学生です。 西原さんによる都市でのサバイバル術の様相を呈した本書。 楽な方向に流されてしまった僕が就職前に読んでいたら考え方が変わったていたかもしれません。 自分が貧乏だなと思っている人なら共感できるところも多いと思いますし、親しみやすい文章ですのでお金や仕事系の本としては読みやすく、活字が苦手な人にもおすすめです。 自戒のために、たまに読み返したい本です。

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すいみんまなぶ

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眠りについて必ずお役に立てるよう更新しています。 語りだすとついつい長くなっちゃいます。